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NBAと日常と、ときどき本について語ります🏀

NBAで無観客試合??🏀MLBと比較⚾

無観客試合の影響/MLB

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コロナウィルスの影響により、ほとんどのスポーツの試合が中止され、再開時期が未定となっています。

日本のプロ野球JリーグアメリカのメジャーリーグNBAなど、マーケットの規模が大きいスポーツでは、試合の中止により、リーグにも選手にも、特に金銭面で大きな問題が生じています。

 

また、選手のモチベーションという意味でも、試合がない、練習が満足にできない、という点で、重大な影響を及ぼしています。

 

もし、各種スポーツのシーズンを再開するとした場合、”無観客試合”が一つの選択肢として挙げられいています。

 

これについて、少し野球の話をします。

 

金銭的損失

5月17日に、アメリメジャーリーグ MLBがもし無観客で試合を行った場合、1試合あたり約64万ドル、日本円にして約6850万円の損失が生じるというレポートが報道されました。

これは、無観客で試合をすればするほど、損失が大きくなるということを意味しています。

 

一方で、選手団体は、無観客であっても試合をしたほうが損失は抑えられ、選手の報酬もある程度回復すると主張しており、リーグから報告された数字に懐疑的であるようで、追加の資料を求めているとのことです。

懐疑的である理由としては、確かにチケット収入などが得られないとしても、テレビでの放映権料が収益全体の半分弱を占めているからだと考えられます。

MLBの2019年の総収入は、約97憶ドルでしたが、そのうちの39%が国内メディア放映権料です。その他、国際放映権料やラジオ等を含めると50%になるのではないか、と言われています。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58652590Q0A430C2000000/?n_cid=SPTMG053

 

現段階でリーグが発表している数字は、以下のページに詳細に記載されています。

https://fox11online.com/sports/brewers-and-mlb/mlb-projects-640k-per-game-loss-with-no-fans

  

また、この金銭的損失により、今年行われるドラフトにも影響が生じています。

5月8日に、MLBは、従来ドラフト会議では最大で40巡目まで指名していたところ、今年は5巡目までの指名に大幅縮小すると報道されました。

昨年は、1217人が指名されたそうですが、今年は160人ほどの指名に留まる見通しです。

選手に支払う契約金も、現段階で受け取れるお金は、最大でも10万ドルにとどまるということです。

https://www.nikkei.com/article/DGXLSSXK60082_Z00C20A5000000/

  

選手への影響

日本のプロ野球で、3月7日に無観客で試合を行った際の選手のインタビューが上がっていました。

https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/baseball/npb/2020/03/12/___split_51/index.php

中尾輝投手

「シーンとしていて、マウンドに向かう時からいつもと全然違いました。投げている時もいろんな音が入ってきて……。ストップウォッチの”ピッ”という小さい音も聞こえてきて、すごく気になりました。・・・・・・マウンドへ向かう時に音がない、観客がいないというのは、本当に練習をやっている感覚というか、紅白戦みたいな気分になってしまいます」

 

吉田大成選手

普段の試合では、歓声で相手チームのベンチの声は聞こえないのですが、無観客だとよく聞こえますよね。」

 

上田剛史選手

守りやすさという意味では、無観客のほうがやりやすいと思います。打球音がよく聞こえるので判断しやすい。

 

これらの感想の良い面も悪い面も、NBAでも共通する部分があると思います。

 

 NBAの場合

金銭的損失

まず、NBAの場合は、無観客試合を行った場合の詳細な金銭的損失は、まだ公表されていないものと思います。

以前の記事でのべましたが、収入のおよそ40%をチケット収入で占めているということは明らかになっていますが、それ以上の1試合当たりの損失は不明です。

これから再開可否の決定までの間に発表されるかもしれません。

ただ、2017年のデータですが、NBAの総収入がおよそ74億ドルのときに、メディアからの収入が38億ドルだったため、NBAもメディアからの収入がおよそ50%を占めているといえます。

https://media.sportbusiness.com/2019/03/free-nba-data-report-2019/

無観客試合であっても、メディアでの放映により利益がある程度取れるのであれば、無観客試合での再開も確実性が増します。

 

一方で、NBAの場合、30チームそれぞれの拠点での開催ではなく、ラスベガスとオーランドの2拠点開催が現実的に検討されています。

新たな拠点使用料をどう負担するのか、使用されない期間のアリーナの使用料はどうなるか、など、MLBとは別の検討課題もあるということになります。

 

また、選手のサラリーキャップの引き下げは確実のようですが、まだ正確な数字は明らかになっていません。

 

選手個人のサラリーという面で考えると、これもまたMLBとは異なります。

スターといわれる選手たちは、ナイキやアディダスなどのスポーツブランドとのスポンサー契約があります。

試合がなくても一定のスポンサー料をもらえるなら、一部の選手のサラリーは大きく減ることは無いでしょう。

ただ、大半のスポンサーがない選手にとっては、かなりの痛手となると思われます。

 

ドラフトについては、オンラインで行われる可能性が発表されていましたが、人数はおそらく変わらず、2巡目まで指名されると思います。ここを1巡目までにするといった変更は、あまりにもドラスティックなのでありえないと信じているのですが。。

 

選手への影響

こちらは、ほぼほぼ、日本のプロ野球選手と同じような感想を抱くのではないでしょうか。

普段、NBAは常にマイクで実況の声が聞こえていますし、観客の歓声も響いていて、日本のプロ野球よりもかなり華やかな空間で試合をしています。

それが一気になくなることで(実況はするかもしれませんが、)、ベンチの声やHCの声はより聞こえるでしょうし、集中力を保つのが難しくなるかもしれません。

そもそも、気持ちが盛り上がらないという選手もいるでしょう。

 

コロナの騒動がまだ大きくなる前、レブロンが記者からの「無観客試合はどう思う?」という質問に対して「あり得ない」といった趣旨の発言をしたことがありました。

その後、騒動が大きくなり、安全を第一に考える、無観客でも試合をするといった趣旨の発言に代わっています。

今は、とにかく再開したいということで、シーズンを再開したときに、選手たちが本来の力を発揮できるかどうかも大事です。

 

もしかしたら、即シーズン再開よりも、1回程度、慣らしの試合を挟んでもいいのかもしれません。

 

 

まとめ

無観客試合をするとしても、様々な、特に金銭面の問題を解決しなければなりませんが、多くのファンが発信しているように、今は試合に飢えている状態です。

リーグがつぶれてしまわない範囲で、何とか再開の道を模索してほしいですね!

 

では、また!